リシン吹き付けの特徴やメンテナンスについて解説
最近では、住宅の外壁材にサイディングが使用されるケースが目立っています。しかし、サイディングが普及する前はモルタル壁が主流でした。もちろん、今でも丈夫さなどの特性からモルタル壁を選択する方もたくさんおられます。このモルタル外壁の一種であるリシン吹き付けとはどのようなものなのでしょうか。今回はリシン吹き付けの特徴やメンテナンス方法などについて、詳しく解説します。
リシン吹き付けとは
昨今、住宅の外壁材のトレンドはサイディングとなっており、その使用率は全体の7~8割と言われています。
一方、リシン吹き付けを含むモルタルは、洋風の一戸建てが多く建てられるようになった1970年から流行した外壁材。
セメント1に対し砂を3の割合で混ぜて、そこに水を追加して練り込んだ建築材料のことです。
昨今の使用率は全体の10%にも満たない数字と言われますが、強度に優れ仕上げの種類が豊富であることなどのメリットがモルタルにはあります。
さらにサイディングには目地があるのに対し、モルタル外壁は目地なしで仕上げることが可能であることから、高級感を出すことができるメリットもあります。
一口にモルタル外壁と言っても、その仕上げ方法にはいろいろな種類があって、「リシン吹き付け」というのはモルタル外壁の仕上げ方法の一種です。
具体的には、セメント、アクリル、顔料、破石配合物を混ぜ合わせ、リシンガンと呼ばれる専用のスプレーで外壁の表面に吹き付けて仕上げていきます。
リシン吹き付けのメリット・デメリット
リシン吹き付けは、モルタル外壁の中でもっとも一般的な表面仕上げ方法で、土壁のようにザラザラとなるのが特徴です。
リシン吹き付けには様々なメリットとデメリットがありますので、見ていきましょう。
リシン吹き付けのメリット
リシン吹き付けのメリットには、「コストを抑えられる」「高級感を演出できる」「通気性に優れている」ことなどがあります。
コストを抑えられる
モルタル仕上げの中で、もっとも価格が安いのがリシン吹き付けです。
そのため、建築コストを抑えたい方にはおすすめの外壁材です。
高級感を演出できる
リシン吹き付けで仕上げると、土壁のようになることから外装に重厚感が出ます。
艶も抑えられることから落ち着いた感じの外壁となり、高級感を演出できます。
通気性に優れている
リシン吹き付けは、通気性に非常に優れており、湿気を放出しやすいのが大きな特徴です。
外壁の通気性が低ければ、構造体の木材を腐食させる原因となってしまいます。
リシン吹き付けのデメリット
リシン吹き付けのデメリットとしては、「ひび割れが発生しやすい」「汚れが付着しやすい」ことが挙げられます。
ひび割れが発生しやすい
リシン吹き付けは、他の仕上げ材と比較するとひび割れが発生しやすく、耐用年数が短いことが大きなデメリットです。
ただし、現在は伸縮性がある「弾性リシン」なるものがありますので、それを用いることでひび割れの発生を大幅に抑えることができます。
汚れが付着しやすい
リシン吹き付けは表面がザラザラとしていて凹凸があることから、どうしても汚れが付着しやすい特徴があります。
性質上カビやコケも生えやすく、それが耐用年数を短くする一因にもなっています。
症状別のメンテナンス方法
リシン吹き付けには、前項で案内した通りにひび割れが発生しやすく、汚れが付着しやすい特徴があります。
そのため他の外壁材と比較しても耐用年数が短く、8年程度となっています。
しかし、しっかりメンテナンスを行うことにより寿命を延ばすことは可能です。
ここでは、リシン吹き付けに起きる症状別のメンテナンス方法を紹介します。
ひび割れ
ひび割れが発生しやすい特徴があるリシン吹き付けには、耐用年数である8年が経つ前でも症状が起きる可能性が非常に高くなっています。
特に窓などの結合部分にひび割れが起きやすく、定期的な点検が必要となります。
ひび割れが起きると、そこから雨水が侵入して構造体を腐食させてしまい、最悪シロアリを発生させて家の建て直しを余儀なくされてしまいます。
ひび割れを確認したら、シーリング材の充填や外壁塗装などの対策をとりましょう。
カビ・コケなどの汚れ
前記したように、リシン吹き付けには凹凸があるため、汚れの他にもカビやコケが発生しやすい特徴があります。
特に日当たりが悪い湿気の多い部分には注意が必要です。
そのまま放置すると、内部に水を吸収させてしまう恐れがあるため、早急な対策が必要となります。
カビやコケや目立った汚れを見つけたら、ブラシでこすり汚れを落としましょう。
高圧洗浄機であれば、簡単に汚れもカビもコケも取り去ることができます。
洗剤を使用する場合は中性洗剤を使用して、表面を強くこすりすぎないよう注意してください。
チョーキング
チョーキングとは、手で外壁を触ると白いチョークのような粉が手に付く現象です。
この症状は、塗料の耐久性が低下しているサインです。
ある程度築年数が経ったら定期的に外壁に触れてみて、チョーキングが起きた場合は外壁塗装で対策しましょう。
まとめ
リシン吹き付けとは、様々な種類があるモルタル外壁の中でも、もっとも一般的な仕上げ材です。
材料費が安く高級感のあるデザインにでき、通気性に優れることなどからとても人気がありますが、ひび割れが起きやすく汚れがつきやすいデメリットもあります。
耐用年数は約8年と、他の外壁材と比較するとそれほど長くはありませんが、しっかりメンテナンスを行うことにより、寿命を延ばすことも可能となっています。
ある程度の築年数が経過したら定期的に自身でも点検を行い、必要に応じて専門業者に依頼するなど、できるだけ早めの対策を心がけてください。
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